トマトのドロッとした部分の大切な役割とは?
トマトはピーマンンのように、好き嫌いがはっきり分かれる野菜ではありませんが、まれに「トマトが大嫌い」という人がいます。理由を尋ねると「スパゲティーのトマトソースもピザソースも好きだけど、生のトマトは食べられないないんだよね」と、不思議なことを言ったりします。トマトを苦手とする理由は「トマトのなかにあるドロッとしたゼリー状のものが青臭くて食べられない」ことが多いようです。
たしかに、生のトマトを切ると、ゼリー状のぬるぬるしたものが種の周りにまとわりついています。そのゼリーは調理する人にとっても、けっこう面倒な存在です。サラダにしたり、サンドイッチにトマトを挟むときには、ゼリーを残しておくと水っぽくなってしまいます。特にサンドイッチにするときは、手間をかけてッゼリーを取り除く必要があります。
ところが、そのゼリー状の部分はトマトにとってなくてはならない存在なのです。養分の通り道になっているとともに、種を守るクッションの役割を果たしているからです。例えば、トマトの種をまくとき、ゼリーを洗い流し、種だけを取り出して土にまくと、トマトの種は直ぐに発芽します。一方、ゼリーに包んだままだと、なかなか発芽しません。何故でしょうか。それはトマトのゼリーには、発芽抑制成分が含まれているからです。実ったトマトが地上に落ちても、あのぬるぬる成分が種を守り、さらには冬の間に芽を出すことがないように、発芽に「待った」をかけているのです。
トマトはキュウリと一緒に食べちゃダメ?
レストランのランチに付いてくるミニサラダには、たいていトマトとキュウリが入ってもの。トマトの赤とキュウリの緑が彩りになるからでしょうが、栄養面からいうとトマトとキュウリは一緒に食べない方が良いという説がある。
トマトにはビタミンCが豊富に含まれていますが、キュウリにはそのビタミンCを分解する酵素が入っているからです。せっかくトマトを食べても、キュウリを一緒に食べるとビタミンCを壊してしまう恐れがあるというわけです。ただし、そのアスコルビナーゼという酵素は、それほど強力な酵素ではありません。胃酸で働きが抑えられるという見方もあって、それほど気にすることはないという専門家もいます。また、アスコルビナーゼは熱や酸に弱いので、キュウリを炒めるなどして火を通したり、酢や酢入りのドレッシングと一緒に食べると、ビタミンC分解酵素の働きを抑えることができるといいます。そういえば、キュウリを酢の物にして食べますが、それはアスコルビナーゼ対策としても、理にかなった食べ方といえます。
ゴボウの皮をキレイにむくと、味も栄養もガタ落ち
見た目が地味なら、味も地味。食卓のメインを張るほどの魅力はないし、まして「泥つきゴボウ」なんて、下処理が面倒でやっていられないという人も多いはずです。そんな理由から一時期は食卓から姿を消しつつあったゴボウ。ですが最近になって、その健康効果が見直されています。食物繊維や、腸内細菌を増やすオリゴ糖、カリウム、カルシウム、抗酸化物質のポリフェノールをたっぷり含んでいるうえ低カロリー。便秘に悩む若い女性はもちろん、メタボリックが気になる中高年にもおすすめの食材といえます。
ところで、ゴボウを調理するとき、皮をすっかり向いてしまう人がいます。見た目に汚い感じがするので、取り除きたくなる気持ちは分かりますが、ゴボウは中心部より、皮にうま味が凝縮している根菜です。皮をむくと、うま味や栄養成分を捨てることになってしまいます。本当?と思うかもしれませんが、これは和食の世界では常識です。関西には、ゴボウの芯を抜き、外皮だけを使う「管ゴボウ」という調理方法もあるくらいです。
うま味に違いが生じる理由は、中心部と外側の細胞の構造の違いによります。ゴボウには皮の部分と中心部の間に、水を吸い上げる導管が通っているのですが、その導管の内側と外側で、細胞の構造が異なっています。導管の内側、つまり中心部の細胞は、いわばゴボウの茎を支えるための古い細胞で、硬くてうま味が少ない。それに対して、導管の外側の細胞は、ゴボウの代謝に欠かせない細胞で、その部分にアミノ酸やグルタミン酸などのうま味が豊富に含まれています。泥つきゴボウでも、表面をたわしで洗えばきれいになるので、たまには皮ごと調理して、ゴボウ本来の美味しさを味わいたいものです。なおゴボウには香りがあるので、洗うときもゴシゴシこすり過ぎないように。
lv9
- (2016/06/26)パセリの健康パワーを更新しました
- (2016/06/26)ヤマイモの滋養強壮効果を更新しました
- (2016/06/25)オクラの栄養効果を更新しました
- (2016/06/25)ニンニクの健康効果を更新しました
- (2015/09/03)ニラとレバーは相性抜群を更新しました
- (2015/09/03)ブロッコリーの効用を更新しました