ヤマイモは本当に滋養強壮にいいのか?
ヤマイモは、すりおろして「とろろ」にし、麦ごはんや蕎麦、マグロの刺身にかけてもいいし、
千切りにして食べるとシャキシャキ感がたまりませんね。
もっとも、「ヤマイモ」という言葉は、特定のイモを指すのではなく、「山のイモ」の総称として
使われています。一般に「ヤマイモ」として食べられているのは、長イモ、自然薯、
イチョウイモ、ツクネイモの4種類です。
ヤマイモは、昔から滋養強壮にいいといわれ、江戸時代の旅人は、険しい峠越えに
備えて、とろろ飯を食べたといいます。
科学的な研究によれば、握り飯だと、いったん上がった血糖値が1時間後から一気に
下がるのに対し、とろろ飯だと血糖値がゆっくり下がっていくといいます。
血液中の糖分は、動くためのエネルギー源であるため、血糖値が高いほど元気に
歩き続けることができるというわけです。江戸時代の人は、そのことを経験的に知っていた
のでしょう。
また、ヤマイモを食べると、食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。
その結果、インスリンの分泌物が抑えられ、脂肪の蓄積を防ぐことができます。
糖尿病対策やダイエットにも、ヤマイモはピッタリの食品ということになります。
さらに、胃の粘膜を守る働きのあるムチンやデンプン分解酵素のアミラーゼ、カリウム、
食物繊維を多く含んでいるので、胃潰瘍や高血圧、大腸ガンなどの予防にも
効果があるといわれています。